かんぺーさんとの出会い

金曜日の晩は,気仙沼でプレーワーカーをされているかんぺ―さんこと神林俊一さんを囲っての懇親会へ参加。


特に印象に残っていること。

「じゃあ今から善意で相手の邪魔をしみましょう!コツは,指示する,介入する,導くことです!」

「じゃ,逆に子どもに寄り添うには?」

これ,絶対に職員室でやってみたい。

「あっ…」てなるWS。

悪意の邪魔よりも,善意の邪魔の方が質が悪い。

本人は,相手を思っているから。

国際協力にしても,教室にしても,すべてに通ずる。

 

 

そして,ズドンときた言葉

「僕たちは子どもを傷つけながら学んでいる」

 

今だってそうだ。

目の前の子ども,そして過去の教え子を傷つけてしまったといった経験は,この先ずっと付きまとうし,フラッシュバックするだろう。

でも,逆に自分はそこから学ばせてもらっている。

いや,少なくとも学ばせてもらわないといけない。

本当に,涙が出てくる。

 

卒業シーズン…向き合う子どもに対しての申し訳なさの湧き出る時期。

ネガティブになってるわけじゃなく,卑屈になっているわけでもなく…

でも,「ごめんね」なんだ。

ごめんねが伝えられるときも,それが伝えられないときもある。

 

自分は完ぺきではない。

 

傷つけた経験から,学ぶ姿勢だけは失わない。

強く決意する。

 

これから,自分は学校だけで実践をしていくのではなく,もっともっと社会とつながっていく必要を感じる。

プレーワーカーとしての,かんぺーさんの経験や専門性から学べることはたくさんある。

素敵な縁。

 

本当の賢さって

三平方の定理も後半の活用場面、課題は難易度を上げていく。
 
そんな中、今までみたいに模範解答も置かずに学び合いを行う。
これは予想していたものの、なかなかに炎上した授業。
これまでは、困ったら答えやに頼れていたのが、その頼り先を失った状態。
 
正解が何か分からない状態で、自信をもって根拠が伝えられる力…これをつけたくて数学を学んでいるようなものだ。
答えのない時代に、納得できる論理を持つことが大切。
 
「先生、これで良いんかな?」
誰もできていない中でも積極的にフィードバックを求められる行動力。
 
答案を見ると、良い見方。答えも合っているが、あえて突っ込む。
 
「へぇー、で、なんで?」
 
 
そこで、どんな反応になるか。
改めて考えようと粘れるのか、めんどくさくなって投げ出すのか。
 
 
徐々に、教室の中にそこを乗り越えて正解にたどり着く人も出てくる。
どうやら答えはこれになるらしい、という情報が飛び交い始める。
 
 
そうなったとき、勝手に挫折感を味わって思考からドロップアウトする子、自分より優れた考え方にすぐに飛び付ける子、そして、自分の立てた仮説を元にとことん深めていく子。
 
 
自分でドロップアウトしないための行動を選べているのであれば、そこに学びがある。
失敗したとしても、それは、「その仮説は成り立たないことを見つけた」という成功でもある。
 
 
学び続けられる、学びに向かい続ける力。
それが本当の賢さではないか、とか考えつつ、教室を観察する。
 
学びに向かう姿勢を評価する時代がやって来ている。
その意味を、各自が自分で腹落ちさせることが必要。
 
自分の中では、このような本当の賢さについて、生徒の姿から見とっていくことだと思う。
 
 
じゃあペーパーテストでそれが見とれるか?
じゃあ行動観察で、クラス全員を同時進行で見とれるか?
 
だからこそ、対話が必要だ。
毎時間書かせていく。
自分が学べていたのかを振り返り、言葉にできるか。
 
 
何が起きたの?どう思ったの?どうして?どうしたいの?
 
 
 

一時間で何がわかるか

一時間での行動に縛られるのは、学習指導案が一時間で構成されるから?

一時間のめあてがあり、一時間で身に付けさせたい内容があり、そこまでどうたどり着かせるかにこだわる。
どんな工夫ができて、どういう順番でどう発問して、支援の必要な子にはどんな手立てをして…授業者として一時間をデザインする。
 
その癖が自分をついついイライラさせる。
授業内での子どもの姿を理想化してしまう。
 
子どもの学びって、そんな一時間で構成できないと自覚することから始めないと。
 
 
研修のあり方も問題になってくる。
 
一時間の参観授業で見とれたことだけで話し合うのでなく、単元づくりや単元を通した子どもの学びを見とることで話し合うのが理想的。
 
そんな継続的な長期的な授業参観とフィードバックの場…
これは職場でないと難しいか。
だから、このような研修を職場に作りたい。メンター制?
 
一時間でゴールにたどり着くための支援なのか、子どもが体験し、そこから学ぶための支援なのか、そこはちゃんと分かった人と、高め合いたい。
 
方法論はどうであれ、子どもが自分らしく自分で学んでいけるための実践をみんなができる職場に。
 
巻き込む力。
発信する力。
こっそり自分の実践をしている場合ではない。

NINJA制度

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先日、数学の授業づくりについての学習会があった。

しあわせをよぶ数学、タイトルからして自分にはピッタリな学び。

 

その中で「教えない」授業スタイルでぜひ取り入れたいフレーズを教えてもらった。

 

それがNINJA制度

 

 

情報が欲しいならその場で訊ねるだけ。

そんな簡単なことなのに、そこにハードルを感じる子が多い。

 

誰かにヘルプを出す。

今の状況では解決は厳しい、もしくは自分よりも確実に分かっている仲間がいるときは、さっと行動した方が絶対に良い。

 

仕事では特にそう思う。

自分の持ち合わせで改善が見込めないときは、周りに繋がっていく。

恥ずかしがらずどんどん聞く。

自分より優れた考え方だと思ったら、元の自分の考え方は捨て去れる、アップデートできる。

そんな人が求められている。

逆に行動できない人は淘汰されていく。

 

ただ、学校での学びとなると…

どれだけしんどくても、自分で粘ってみたいんだという頑固さはアリだと思う。

だから、「困ったらすぐ頼って良いんだよ」というのを「困ったらすぐ頼るべき」と押し付けるのは違うと思う。

 

そのあたりは,授業者がどれだけ子どもの「学び」というものを深く学んでいるかではないか。

生産性,効率性だけを求める時代ではない。

それぞれが,らしく学んでいける環境にしていくために。

 

NINJA制度もありだよ。

そういう発想もありだよ。

あなたはどうしたい?

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数学の授業を通してどんな力がついたか?④

 3年間の最後に,数学の授業を通して身に付けた力について生徒に記述してもらった。
 どんな力がついたか,なぜそう思うのか,その力をどうしていきたいか。
 仮に数学の知識や技能を忘れていったとしても,仲間づくりや自分で行動した経験は,生徒に残っていってほしい。
 Evidenceベースで実践を語りたい。
 一方,こうしたソフトスキルの高まりをどう見取るか…その方法は簡単ではない。
 今は,生徒の記述が1つの指標。
 今までの授業のカタチを崩してチャレンジするのはストレスが多い。
 だから,こうして生徒が成長を言葉にして表してくれることが,自分を勇気づけてくれる。

生徒A

 周りの人と協力して何かを解決する力。数学の授業で分からない,またはできない問題があったら,周りの人と協力し,聞いたり教え合ったりすることができたから。今後,この力を活かして高校や社会に出た時に,問題解決のためにただボーとしているだけではなく,自分から意見を言ったり,または教えたりすることに力を入れたい。

生徒B

 数学の授業を通して,私はコミュニケーションをとる力がつきました。なぜなら男女の壁を越えて話せるようになり,男子,女子どちらとも話すことがとても楽しくなったからです。ここで身に付けた力を将来,大学の面接や就職してから同僚と話すときなどに活かしていきたい。

生徒C

 人と話して問題を解きことができ,あきらめない力がついた。理由は最初は分からなかったら違うことをやっていたけど,友達に教えてと言って分かるまで教えてもらって,分かるようになったから。

生徒D

 学び合いで,異性や仲の良い人以外と関わる力がついた。なぜなら,周りから聞きに来てくれたり,自分から教えに行くことで,関わりやすくなったから。今後その力を活かして,人の役に立てるような行動をしたいし,分からない所は自分から聞きに行きたい。

生徒E

 自分から行動する力。やはり,自分は分からないとき,一人で考え込むことが多い。特に,初めの方は一人で考え,一人で行動していた。だが,だんだん近くの人に聞くことなどができるようになっていった。誰とでも気楽に話せるコミュニケーション力の向上につなげたい。

生徒F

 私は数学の授業を通して,分からない所は人に聞くという力がつきました。そう考える理由は,1,2年生のころは人に「分からない」ということが恥ずかしかったけど,今では自分で抱え込まず,分からない所は分からないということができているからです。今後,高校でも自力でできないことがあったら,自分ですべてをこなそうとせず,周りの人に聞いたりするようにしていきたいです。

生徒G

 数学の授業を通して,考える力がついた。理由は1人で考える事が多くなり,自分のペースで進めて分からない所を少しずつ減らせるようになったからです。

生徒H

 私は数学の授業を通して,人に気を配ることのできる力がついたと思います。なぜならば,今まで自分がやれたらそれでいいと思っていたけど,学び合いなどの活動を通し,だいぶ前のところからつまずいている人がいることに気づくことができたからです。そこをできるようにしてもらうために,どこが分からないのか一緒に考える事ができるようになりました。この力を,高校に入っても,部活,授業,色々なところで周りを意識し,支え合い,高め合うことができるように活かしていきたいです。

生徒I

 最近,ある問題が分からないとき,「ここ,分からん」など自分の意思を相手に伝えることができるようになったから,人と関わる力がついたと思う。

生徒J

 相手に伝えるときに,図や表などで説明する力がつきました。理由は,今まで自分のやり方で教えても分かってもらえなかったり,間違えたままだったりしました。でも,最近は図など相手に分かりやすく伝えることで,こういう力がついたのかなと思いました。

数学の授業を通してどんな力がついたか?③

 3年間の最後に,数学の授業を通して身に付けた力について生徒に記述してもらった。
 どんな力がついたか,なぜそう思うのか,その力をどうしていきたいか。
 仮に数学の知識や技能を忘れていったとしても,仲間づくりや自分で行動した経験は,生徒に残っていってほしい。
 Evidenceベースで実践を語りたい。
 一方,こうしたソフトスキルの高まりをどう見取るか…その方法は簡単ではない。
 今は,生徒の記述が1つの指標。
 今までの授業のカタチを崩してチャレンジするのはストレスが多い。
 だから,こうして生徒が成長を言葉にして表してくれることが,自分を勇気づけてくれる。

生徒Q

 「ここはこうだからこうなる」という順々に説明する力がついたと思う。理由は教え合いの時,分からない所を聞いて,「この説明分かりやすい」と思ったら,それを使って説明するようにしたからです。だから少し説明するのがうまくなりました。その力を今後,分からない人に分かりやすく教えられるようにしたいです。

生徒S

 私は数学の学び合いの授業を通して,根気強さという力が付きました。学び合いでは,理解するためにたくさん友達に質問したからです。この力は,失敗しても投げ出さないということにつながるから,何事にもあきらめずに取り組みたいです。

生徒T

 友達とコミュニケ―ションをとる力がついたと思います。なぜなら授業を重ねるにつれて友達とどう接すればうまく関係をつくれるかが分かってきたからです。これからは高校に行き,知らない人たちが多いのでコミュニケーション力を上手に使い友達を増やしていきたいです。

生徒U

 人に話しかける,聞く力。数学の時間に学び合いをすることで,分からない所はすぐに「分からないから教えて」と声をかけることができるようになったし,自分が分かった所で分かっていない人がいたら,声をかけられるようになったから。高校生になったら今よりももっと自分から話しかけていかないといけないと思うから,数学での学びを思い出しながら積極的に行動していきたい。

生徒V

 数学の授業を通して,人とコミュニケーションを取ったり,自分で考えて行動する力が身についたと思います。なぜなら,学び合いをしていて,分からなかった時にどうやって解決したら良いか考えて行動できたし,普段あまり話したことがない人とも接することができたからです。その力を活かして,これからも特定の人とだけでなく,いろんな人と関わっていけるようにしたいです。

生徒W

 他人と関わる力がついた。1,2学期のころと比べて周りの人と積極的にかかわることができたから。身近にいる仲の良い人だけでなく教室全体を見渡してまだ解けてない人のところに自分から積極的に教えに行ったり,分からない所があったら,教科書や答えを見るのも悪くないけど解けている人に聞きに行こうと思う。

生徒X

 私は数学の授業を通して,自分から聞く力が付きました。理由は1年や2年のころに比べ,周りに分からないところを聞けるようになったからです。その力を今後,高校の授業や大人になっても,人の力を借りたいときに活かしたいです。

生徒Y

 数学の授業を通して,深く考えようとする力がつきました。そう考える理由は,学び合いで分からない問題があったとき,何度も分かるまで質問したからです。その力を今後,私が分からないことがあったとき,周りの人に頼ったりしてしっかり考える事ができ,次は周りの人に教えられるような人になるために活かしたいです。

生徒Z

 学び合いを通して説明力がついた。みんなそれぞれ理解度が違うから,その人の理解度に合わせて説明の仕方を変えられたから。コミュニケーションの1つとしてたくさんの人に説明し,人間関係の輪を広げていきたい。

数学の授業を通してどんな力がついたか?②

 3年間の最後に,数学の授業を通して身に付けた力について生徒に記述してもらった。
 どんな力がついたか,なぜそう思うのか,その力をどうしていきたいか。
 仮に数学の知識や技能を忘れていったとしても,仲間づくりや自分で行動した経験は,生徒に残っていってほしい。
 Evidenceベースで実践を語りたい。
 一方,こうしたソフトスキルの高まりをどう見取るか…その方法は簡単ではない。
 今は,生徒の記述が1つの指標。
 今までの授業のカタチを崩してチャレンジするのはストレスが多い。
 だから,こうして生徒が成長を言葉にして表してくれることが,自分を勇気づけてくれる。

生徒I

私に身についた力は他人の答えを写すだけでなく,自分でしっかり考える力です。理由は,学び合いで他の人に説明してもらいながら,自分の頭でしっかり考える事ができたからです。これからも,誰かの答えを見てできた気になるのではなく,しっかり自分で考えられるようにしたいです。

生徒J

 私は数学を通して,相手に分かりやすく伝える力がつきました。理由は,ただ自分が理解して終わりではなく,苦手な人へ伝えていくというのがとてもむずしいことだと実感したからです。私が分かりやすく言ったつもりでも相手が分かっていなかったりとすごく苦労しました。だから,その力を数学だけでなく部活や他教科でも発揮して理解してもらえるような分かりやすい説明をしたいです。

生徒K

 不思議に思ったことや疑問に思ったことをすぐ友達や先生,男子に聞けるようになったことです。理由は,難しい問題に取り組んでいるときは,まずは友達に相談し,それでも分からなかったら男子に質問に行けるようになったからです。数学に限らず,分からないことをほっとくのではなく,解決できるまであきらめずに勉強していきたいです。

生徒L

 学び合いを通して,いろいろな解き方に挑戦でき,より考える力がついた。なぜなら,自分とは違った解き方をしていて,私も違う解き方をすることで,2種類の解き方があって,より考えが深まったから。その力を,次は分からない人に教えていくときや,入試で発揮する。

生徒M

 クラスのみんなと関わる力がついたと思います。なぜなら,最初は学び合いは嫌だな,普通の授業が良いなと思っていました。2年生の時も,少人数クラスにしました。でも,普通の授業よりも,みんなや先生に聞きやすいし,みんなで考える事は面白いと思えるようになりました。これから,この力を高校の授業にも使って,自分でいい授業にできるように頑張りたいです。

生徒N

 教えてもらいに行ける力。前までは分からない問題とかがあっても自分で解決しようとして自分から教えてもらいに行くことができなかったけど,最近では自分から教えてもらいに行けるようになりました。今後も自分から行けるようにしたい。

生徒O

 私は,数学を深くまで追求する力がついたと思います。理由は,友達との教え合いの時,「何でこうなるの?」と質問されたら,深いところまで教えることができたからです。今後は,数学の公式だけでなく,その意味を考えるようにしたいです。

生徒P

 自分で解いたり友達に分からない所を聞いたりする力。今まで,決まったメンバーと関わり合ってきた。でも,今では色々な人が集まっているグループで,分かっている人を中心に教え合いが行われているから,すぐに頼れるため。頼ることも大切だと感じることができたから,今度は自分が頼られる人になりたいと思った。教えてもらった後に自力で解いてもらう方法で問題を解いていたので,それを使いたいと思う。おかげで数学を楽しめた。でも,まだ分かっていないところがたくさんある。