数学の授業を通してどんな力がついたか?④

 3年間の最後に,数学の授業を通して身に付けた力について生徒に記述してもらった。
 どんな力がついたか,なぜそう思うのか,その力をどうしていきたいか。
 仮に数学の知識や技能を忘れていったとしても,仲間づくりや自分で行動した経験は,生徒に残っていってほしい。
 Evidenceベースで実践を語りたい。
 一方,こうしたソフトスキルの高まりをどう見取るか…その方法は簡単ではない。
 今は,生徒の記述が1つの指標。
 今までの授業のカタチを崩してチャレンジするのはストレスが多い。
 だから,こうして生徒が成長を言葉にして表してくれることが,自分を勇気づけてくれる。

生徒A

 周りの人と協力して何かを解決する力。数学の授業で分からない,またはできない問題があったら,周りの人と協力し,聞いたり教え合ったりすることができたから。今後,この力を活かして高校や社会に出た時に,問題解決のためにただボーとしているだけではなく,自分から意見を言ったり,または教えたりすることに力を入れたい。

生徒B

 数学の授業を通して,私はコミュニケーションをとる力がつきました。なぜなら男女の壁を越えて話せるようになり,男子,女子どちらとも話すことがとても楽しくなったからです。ここで身に付けた力を将来,大学の面接や就職してから同僚と話すときなどに活かしていきたい。

生徒C

 人と話して問題を解きことができ,あきらめない力がついた。理由は最初は分からなかったら違うことをやっていたけど,友達に教えてと言って分かるまで教えてもらって,分かるようになったから。

生徒D

 学び合いで,異性や仲の良い人以外と関わる力がついた。なぜなら,周りから聞きに来てくれたり,自分から教えに行くことで,関わりやすくなったから。今後その力を活かして,人の役に立てるような行動をしたいし,分からない所は自分から聞きに行きたい。

生徒E

 自分から行動する力。やはり,自分は分からないとき,一人で考え込むことが多い。特に,初めの方は一人で考え,一人で行動していた。だが,だんだん近くの人に聞くことなどができるようになっていった。誰とでも気楽に話せるコミュニケーション力の向上につなげたい。

生徒F

 私は数学の授業を通して,分からない所は人に聞くという力がつきました。そう考える理由は,1,2年生のころは人に「分からない」ということが恥ずかしかったけど,今では自分で抱え込まず,分からない所は分からないということができているからです。今後,高校でも自力でできないことがあったら,自分ですべてをこなそうとせず,周りの人に聞いたりするようにしていきたいです。

生徒G

 数学の授業を通して,考える力がついた。理由は1人で考える事が多くなり,自分のペースで進めて分からない所を少しずつ減らせるようになったからです。

生徒H

 私は数学の授業を通して,人に気を配ることのできる力がついたと思います。なぜならば,今まで自分がやれたらそれでいいと思っていたけど,学び合いなどの活動を通し,だいぶ前のところからつまずいている人がいることに気づくことができたからです。そこをできるようにしてもらうために,どこが分からないのか一緒に考える事ができるようになりました。この力を,高校に入っても,部活,授業,色々なところで周りを意識し,支え合い,高め合うことができるように活かしていきたいです。

生徒I

 最近,ある問題が分からないとき,「ここ,分からん」など自分の意思を相手に伝えることができるようになったから,人と関わる力がついたと思う。

生徒J

 相手に伝えるときに,図や表などで説明する力がつきました。理由は,今まで自分のやり方で教えても分かってもらえなかったり,間違えたままだったりしました。でも,最近は図など相手に分かりやすく伝えることで,こういう力がついたのかなと思いました。